もうすっかり夏が終わってしまいましたね~
わたしの住む地域は夜なんかは寒いくらいです。
さてさて、以前に
海外ドラマ『AmericanHorrorStory』をご紹介いたしましたが、本日またわたしのお気に入りのDVDを一本ご紹介させていただこうかなと思います!
記事の最後で予告しておりましたように、ルイス・キャロルのアリスをモチーフとした作品でございます。
シュヴァンクマイエルのアリスとはまた毛色がまったく違った作品なので、特に「あれが好きならこっちもおススメ!」というわけではございませんのでご注意ください…笑
DVDタイトルは『英国ロイヤル・バレエ団 不思議の国のアリス』
お察しの通り、今回は映画でもドラマでもなく、バレエでございます~!
2011年にロイヤルオペラハウスで上演された舞台が収録されたDVDです。
ぶっちゃけわたしは技術的な部分はちっともわからなくて、バレエ自体友人の発表会がきっかけで少し見るようになった程度なので(今はもうプロになってしまったのでなかなか友人の舞台は見に行けないのですが、笑)踏みこんだ解説とかは全然できないんですが、バレエってそんなド素人でも楽しめるんだよ!ってことを伝えられたらいいなと思ってます。
バレエは台詞や歌がないせいか、退屈だとか難しいというイメージを持たれがちだと思うんですけどちっともそんなことないんですよ!
自分の好きな作品を人に勧めるっていうのはあんまり好きじゃない(ていうかできない)んですが、『英国ロイヤル・バレエ団 不思議の国のアリス』は始めてのバレエとしては結構適当なんじゃないかなあと思います。
正直、好きな原作の舞台を選んで見ればいいとは思うんですけど、ど~~~しても選べない!何を見ていいのかわからない!という方におススメしておきます、笑
その理由のひとつは、「アリス」自体があまりにも有名な原作だからです!
『くるみ割り人形』とか『コッペリア』とか『白鳥の湖』とか…有名っちゃ有名ですけど、案外ストーリーとかあらすじを知らなかったりしますよね。
でもアリスなら、原作を読んだことはなくてもディズニーのアニメーションを見て大体のストーリーを把握していると思うので、「え?今どういう場面なの?」「いきなり出てきたけど、このキャラクター誰だよ…」なんて戸惑う事なく舞台に集中できるんじゃないかなと思いました。
それからもうひとつ、一番の理由が…この作品、要所要所がすっごく、映画っぽいんです!
まず一番わかりやすいのがオケなんですけど、なんていうか映画サントラっぽい、クラシックでないフランクな音楽がすごく珍しいなあと思います。
シンプルに言うと耳慣れた身近な音楽といった感じでとても聞きやすい!のです!
いい意味でバレエっぽくないというか…こういう言い方をしてしまうと元も子もないんですが、笑
視覚的にもセットやカメラワークのおかげで、時々舞台の上ということを忘れてしまいます。
特にセットはほんとに拘りがすごくて、背景というよりテーマパークのアトラクションの風景に近いような感じがします。ライドスルーのあのぎゅっと凝縮された感じ…
それから始終視点が変わらないっていうのも、アリスならではだとは思うんですけど見やすいです。
こういう構成だと必然的にプリマが出ずっぱりになるのでやる方は死に物狂いなんでしょうけども、最初から最後までアリスの視点でお話が進むので見てる方は段々感情移入して引き込まれちゃうんですよね。
美しい踊りを見るのがメインであるはずのバレエでストーリーの方に注目がいくっていうのは結構珍しい気がします。
この作品は見どころがありすぎて何を紹介したらいいのかすごく迷うんですが、とにかく目を引くのは「ヒーロー」の存在でしょうか。簡単に言うと、アリスちゃんのお相手役です。
アリスに男!?とちょっと聞くとぎょっとしますが、この作品のアリスは小さい女の子というより思春期の少女という感じであまり違和感がありません。
中の人(バレリーナ)が幼女じゃないから、とかそんなメタな理由ではなく(実際に劇場で見たら顔なんて遠すぎてわかりませんしね)、じゃあなぜそう感じるのかというと、一番の理由は衣装にあるような気がします。
従来のアリスといえば、セミロングの金髪か茶髪にピンクやブルーやイエローのエプロンドレス姿、というのが定番だったと思うんですけど、この作品のアリスはショートカットのブルネットで、ドレスはフェミニンなラベンダーなのです。ね?大人っぽいでしょ?笑
だけど大人っぽくなりすぎないのは、ボーイフレンドからのお花のプレゼントのお返しに、ちょうどそばを通りかかったメイドが運んでいたお菓子をくすねて渡したり、小さく縮み過ぎてドアノブに手が届かないのを地団太踏んで悔しがったり、そういうお茶目な仕草とのギャップが思春期の危うさを感じさせるからかもしれません。
「オールドファッションなアリスなんて!」という台詞さえ聞こえてきそうなニュータイプ・アリスなわけですが、ここでSSをご覧ください。
チェシャ猫がテニエルデザインなんです!!ヒャア~~~カンンワイイ~~~!!
ここで原作へのオマージュを見せてくるあたりがほんと~~~~~に憎いなああと思います!!
チェシャ猫の「消える」の演出もすごく好きです。ディズニーのリボンみたいなあれもかわいいんですけど、個人的にオリジナルのイメージに近いのはこっちかな…
演出に関しては、これに限らず全編通して素晴らしいのひとことなので、アリスファンはぜひ一度は見てほしいなと思うわけです(レンタルしてるのかな…)。
もっともっとご紹介したいんですが(帽子屋のタップとか、オリエンタルな芋虫とか、コメディなハートの女王とか、一番紹介したかったホワイトラビットのデザインの素晴らしさとか!)、言いたいことがまとめられる予感がしないのでこのへんで終わらせておきます~!
好きなものを語ろうとすると、伝えたいことが多すぎてもともと疎い日本語がさらにひっちゃかめっちゃかになってしまって、読んでくださってる方には申し訳ないです…。
でももしこれでちょっとでも興味を持っていただいて、一人でも多く布教できたら…すっごく嬉しいです!
…余談ですが、国内版DVDよりインポート版のパッケージの方が、レトロなポスターみたいで超絶かわいい~