二次創作SS書いたらどこに上げるのがいいだろう…
とりあえずブログでいいかな???
「TeaParty」のセルフ二次創作をしてみました〜!
もし興味を持って読んでいただけるようでしたら、「TeaParty」のアンインスコ&再インスコを十回くらい繰り返してからの方がいいかもしれません、笑
追記に畳みます!
▼「TeaParty」SS
「なぜ、そんなに悲しそうなの?」
青いクロスの敷かれたテーブルの上で静かに手を組みながらジュリアン・ラロは問うた。
少しの歪みもなくピシッと平らであったテーブルクロスが彼の腕に引っ張られて音もなく皺を寄せる、わたしはその様子をじっと眺めてから、向かいに座るジュリアン・ラロという少年とも青年ともつかない男の顔を見上げた。
いつだったか彼に顔色の悪さを指摘されたことがあったけれど、自分の心配をするべきとわたしが思うほどには彼の顔は白かった。
あなたはいつも青白い顔をしているわねと、本人に言ったこともある。その時彼はほんのちょっぴり驚いたように目を瞬いて、それから、そうだね、と頷いた。人形のようだと言われたことがあるよ、と。
口にはしなかったが、人形の方がよっぽど顔色が良いだろうとひっそり思った。
黙って目を閉じている姿は人形とは似ても似付かない、さながら死人のようだといつも思う。
黙ったままのわたしを怪訝に思ったらしい彼がこてんと首を傾げる。口元には相変わらずの微笑を浮かべて、眉を悲しげに寄せていた。わたしがそんな表情をしているとでもいうのだろうか。
彼から視線をはずして、中身がそそがれてから手をつけていないままのティーカップの底をじっと覗きながら久しぶりに唇を開く。
「あなたはわたしの名前を知ってる?」
膝の上で両手をすり合わせると微かに衣擦れの音がした。
いつもならすぐに相槌を打つなり返事をするなりしてくれた彼が珍しく黙り込むのを、わたしはどうしてか恐ろしく思ってそっと顔を上げる。彼はいつも通りの柔らかい笑みを浮かべて真っ直ぐわたしを見つめていた。
「もちろん! 当たり前じゃないか。」
わたしと目が合うと彼は言った。
「わたしが教えていないのに?」
「……君が忘れているだけさ。」
「それじゃあ、なぜ一度も呼んでくれないの。」
「……君が僕の名前を呼んでくれないからさ。」
「呼ぶわ、ジュリアン、何度だって呼ぶわ。」
ジュリアン・ラロは困惑したように眉を下げた。
なんだってそんな顔をするのかわたしにはさっぱりわからなくて、同時に、彼を追い詰めているようなこの不思議な状況が少し嬉しくてわたしはちょっと大袈裟に顔をしかめてみせた。
「ねえ、ほんとうはわたしのことなんて、何とも思ってないんでしょ。」
「何だって?」
「ほんとうは、わたしを好きなんかじゃないんでしょ。」
わたしの言葉の後に、一瞬か、あるいは数秒の沈黙があった。
ジュリアン・ラロの顔が徐々に今まで見たことのないような形に歪んでいって、やがてそこに怒りの感情が見えた時、わたしと彼が囲んでいたティーセットやおいしいおかしはそれが乗っていたテーブルごと大きな音をたてて大理石の上に倒れていった。
驚いて椅子から立ち上がると、わたしが悲鳴も上げられないうちになにものかが素早く喉をひっ掴んでぎゅうっと強く締め上げた。わたしの首を掴む細くて白い手はいつもお茶のおかわりをそそいでくれるそれによく似ている。
ぶるぶるとひどく震えている腕を目で辿っていくと絶望したような悲しそうな顔をしたジュリアン・ラロと視線がかち合った。彼はわたしと目が合うと切なく唇を歪めてぎゅっと眉をしかめた。
「いつからだろうね。」
震える声で彼が言う。
「いつから、こうなっちゃったんだろうね?」
ジュリアン・ラロの瞳からぽろぽろっと溢れるように涙がこぼれ出て彼の頬をしとどに濡らしていくのをどこか懐かしい気持ちで見つめた。
泣きながら首を締め続け、そうして彼は濡れた唇をそっとわたしに押し当てた。こうなって初めてようやく彼の屈折した愛情を知ったわたしは死を迎えながら甘んじてこの恐ろしいキスを受け入れた。
それから、目が覚めて……